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鴉色の戦闘服をまといて

古典的占星術を勉強中の日常のたわごと★
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† 横浜で一館『幕末太陽傳』 †

引き篭もりを打破しようと、やっとやっと外出した。

映画でも見ようと思って、ネットで公開映画を調べてみて、 「おや?」と気になった映画が 今回のやつだ。 『幕末太陽傳』(「傳」は 今の感じで「伝」という字)

まず始めに言っておくと、「見ておいて良かった」と正直 思う。 私は『ドラゴンタトゥーの女』や『麒麟の翼~新参者』も見るつもりで、 まずは これを見ることにしたけども、見ておいて良かった。 (今さっき、知ったのだけど、横浜では 公開が 2/5までだって・・・。 まぁ今の時代、DVDもYoutubeもあるからね。。)

1950年代という 映画黄金期の映画の デジタルリマスター(修復版)である。 白黒映画で、落語を元にした コメディー映画。



まず出演者について。
オープニングの 配役陣の名前が、昭和の豪華なスターですね。 フランキー堺、石原裕次郎、二谷英明、西村晃、南田陽子、左幸子、菅井きん。 このくらいは 私も名前は知っている有名どころ。岡田真澄も出ている。

舞台は 江戸末期の女郎宿(売春宿)の相模屋。 そこで 居残り伊平次 という お調子者が 住み着いた。 こいつが実に 機転の利く 器用者で、相模屋の色々な事件騒動を 解決(?)していくという話。

さて、私の見た感想。

一応、落語を元にしたコメディなんだけど、 強引に笑わせようという感じではなくて、心の奥底で ふふふ・・・と ジワジワくる面白さだね。

ゲラゲラという感じじゃない(当時としては ゲラゲラだったのかもしれない)けど、 私は 「笑わせる」よりも「笑いを誘う」が好きなので、これは好きなタイプ。

そして フランキー堺 の演技は 凄いなぁ・・・と思う。

なんていうか、演技なんだろうけど、演技にありがちな ぎこちなさ が無い。

石原裕次郎が主役じゃないのも、地味に凄いことだよね。

また、見ていて圧巻なのが、相模屋の日常風景である。 現在 ありがちな記号的な時代劇の描写と違い、この映画には 妙な生活感がある。

正直、これは今の時代 作り出すのは 難しいかもしれない。 強いて言えば、鬼平犯科帳のチームが作れそうな手腕がある気もするけど、 この日常の空気感とは違ってしまうだろう。

アップショットを多用せず 引きの視点を使うので、さらにそういう日常の空気が、演者の周辺から匂ってくる。 引きの視点によって 相模屋の建物の空気が感じられるのである。

また 流れるように 細かい日常所作が行なわれることも、日常感を醸し出す。 伊平次が ぱっと羽織を空に放り、さっと袖を通す。 女郎同士が 話を交わしながら、自然に髪の手入れを手伝いだす。 その自然な所作に美しささえ覚えてしまうほど。

その底辺には、時代考証の力量があるんだと思う。 記録や史実は知っていても、何気ない日常というのは、 その細々な当時の所作・行動・風習を知らなくてはいけないのだから。

ストーリー展開に関しては、 これといった主軸のストーリーが無いので、先の終わるあても感じられないから、 途中で眠たくなるかもしれない。

確かにそれぞれ人物が織り成す出来事が 伊平次を中心に繰り広げられていくんだけども、 さて、この小話の連続が いつまで続くんだろう・・・という冗長感と不安感も抱いてみたりする。

それは途中で、ストーリーが判りづらい部分もある。 この辺は、私が落語を知っていないせいだったなのかなぁ。

あと、最後の終わり方が、ちょっとなぁ・・という気がする。 ここも落語の有名な噺なんだけど、その終わり方がアッサリしすぎ。 落語なら「ちゃんちゃん」で終わっても良いかもしれないけど、 2時間のストーリーの終わりが、噺の終わりと同じボリュームでアッサリと終わるのは、ちょっとなぁ・・・という気がする。

(追記:ちょっとネタバレ的ですが・・・)

この最後の『お見立て』の部分が、どうも付け焼刃のラストのようなモヤモヤがあったのだけど、どこかのブログで「杢兵衛が死神の表現」との考察を読んで、なるほどと理解が出来たような気がする。

そのキーワードを使えば、伊平次に取り付いた死神と、それを振り切ろうとする伊平次、という暗喩な構図なのかもしれない。これで、全体を通して 病が進行する伊平次の 映画としての結末として 成り立つと納得できる。

  • 「首が飛んでも 動いてやらぁ(舟の上での啖呵)」
  • 「オマエは地獄行くぞ(杢兵衛)」
  • 「地獄も極楽もあるもんけぇ。俺はもっと生きるんでぃ!(ラストのセリフ)」。

そう考えると、最後に走り去る伊平次の姿が、とても意味深長なラストなんですね。

私の評価としては、こんな感じ。

  • ≪演技≫ ★★★★(4)
  • ≪脚本≫ ★★★☆(3.5)
  • ≪演出≫ ★★★★☆(4.5)
  • ≪総合≫ ★★★★(4)
  • ≪評価≫ 「なかなか良いね」
    展開でちょっと難もあって うっかり眠くなるかもしれないけど、 普通に楽しめた。

私としては、これは好評の部類に入る。 幾らか レトロ好きの 嗜好が 入っているかもしれないけど。

「見て良かった」というか、「見ておいて良かった」という映画。 どうせ同じ程度の面白さの映画を見るなら、価値のある こっちを見るべきだと思うよ。 まぁ・・・今の時代の若い世代には、評価が難しいかもしれないけどね。

白黒映画だけど、修復された効果なのか、そんなに見づらくない。

あと、ゆとり&平成生まれには、 落語や江戸時代の基本知識が必要な部分もあるので、 事前にパンフを買って、説明を見ておいた方が良いです。 (私はパンフを見ないで いきなり見ちゃいましたが)


さて、この映画。 横浜で公開されている映画館は 一館だけ。 伊勢佐木町にある歴史ある映画館らしい。

横浜っ子の私は、伊勢佐木町なんて、 小さい頃から それこそ何十回も行っているし、 黄金町近くの古い映画館『シネマジャック&ベティ』も知っていた。 ・・・でも、恥ずかしながら 今日まで ここの映画館『横浜ニューテアトル』の存在は気付かなかった。 それだけ、目に付きにくい映画館なのかもしれないね。

横浜ニューテアトル

伊勢佐木モール商店街を関内方面からズンズン進み、 有燐堂やエクウスを過ぎ、右にブックオフ 左にジョナサンが見える辻(交差点)にきたら、 そのブックオフの向かいに入り口がある。


あと、蛇足ながら。 若い人はマナーを知らないとか、常識を知らないと言われるけども、 昭和のオジサンオバサンの中にも 結構 無礼で非常識なヤツがいる。 こういう映画なので、全体として お年の召した観客だったけども、 観客の中に そういう人達がいた。

「前を遮るな」「喋るな」「音を立てるな」・・・映画館では そのくらいのことは常識のはずだけども、 一部の観客は ことごとく 全て やってくれました。もう こればっかりは 運不運ですね~。

あと、繰り返しになるけど、横浜では 2月5日までだそうで、 この記事が更新したころには 最後の公開が始まるころでしょうか。



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