† 「Sixh解散」の報せを受けて †

この報せを知ったとき、意外なことに さほど驚きは無かった。

美辞麗句ってのは苦手な私だし、率直なことを書いてみたい。

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Sixhというファションブランドと出会ったのは、多分 2009年だったと思う。 h.naotoを介して、Webshopで知ったのだった。

誤解や顰蹙を恐れずに言えば、Sixhの魅力って、或る意味での厨二病っぽさだと思う。 どこかアニメのコスチュームのような、でも黒くて それは甘くない、カッコ良さ。 見る人によっては、「変な服」でもあり、それは個性的な服だとも言える。

ここからは勝手な推測になるのだけども。 あくまで　私の勝手な予測ね。

Sixh解散の報せを知ったときに思ったこと。

Sixhに ちょっとした違和感を感じたのは、おそらく昨年 2013年の明けくらいか。

正直、私の知っているSixhと違う路線を行こうとしているなぁって感じたことがあった。

それまで見てきていたSixhは、独特のフォルム、凝った布の組み合わせ、が魅力だった。 黒が基調で、動植物などをトライバル化したモチーフ。それがSixhだった。

それが 柄模様が増えてみたり、漢字や幾何学模様が出てきたりした。

独特のフォルムが幾らか減ってきていたようにも感じた。

あれ～、Sixhって これからどうなるんだろう？って、ちょっと不安に思っていた。

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次に驚いたのが、2014年明け、IBIさんが原宿店の店長になったこと。

デザインを起こし 製作をしながら、一方で、店長を務めるって、なかなか普通じゃない。 だって、デザイナーとして全国のお店にも行くんだから。 いったい どういうことだろう？

何か不気味な蠢動が起きているな…と感じてはいた。

まさか、それがSixh解散だと予想していたわけじゃない。 けれど、この先、何か 行き詰まりというか、このまま順調には進みそうもない、どこかで何かが壊れるような不気味な予感はしていた。

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ここ最近、裏原宿などファッション業界が厳しい…というようなことを、昨年のイベントで廣岡デザイナーが仰っていた。 だから、裏原宿を ゴスの聖地として ここを黒原宿の聖地にしたい、そうして日本のファッション文化を盛り上げていきたい…と。 たしか、そんなようなことを 廣岡デザイナーは真剣な眼差しで言っていた気がする、（記憶違いかもしれないけど）

Sixhの店舗も 次々を閉店統合されてきていた。原宿のSixh、三宮、京都　などなど。 言いにくいけれども、ゴスト（ホスト系）としては 超メジャーって域にはなっていなかった。

ま、私は、「超メジャー」なんて望んではいなかったけど。だって、私は 人気の服を着たいわけじゃない、流行の服を着たいわけじゃない、ただ好きな服を着たいのだから。

　

でも、商業的に 何か試練があったのかもしれない。2013年の暮れには、そんな気配を感じた気もする。

2013年始めからのデザインの変化は、IBIさんは、もっと幅広い層にも着てもらえる服というのも作りたかったのではなかろうか。

そうすると、厨二病的なSixh と、 幅広い層に受け入れられる服とは、或る意味 致命的な矛盾を抱えることになる。 毒のある尖がった個性的な服と、誰にでも受け入れられる服、普通なら成り立つわけがない。

これから IBIさんが、もっと幅広い活動、もっと別の活動もしてみたいと考えたとき、IBIさんの立脚点であるSixhというブランドが、却って 足枷になってしまうという。

Sixhというブランド、それを支持してくれている人たちがいて、名前だけ残して 方向性を逆転するような不誠実なことはしたくない・・・。 Sixhというブランドを汚したくない。そういう考えになったのかもしれない。

次は、或る程度 支持層が広くて、Sixhとは趣向の異なるカテゴリー、なおかつ商業的に成功する、 そういうものを作れるようになる決意なのかなぁ・・・と。

そして、どうせなら デザイナーとして ここで一休みしたい、充電期間が欲しいとなったのかも。 その間は、店長としての仕事で貢献していこうと、決意したのかなと。

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ここまで そう考えたとき、IBIさんの解散声明の行間が（私の勝手だが）見えるような気がするんだ。 というか、声明で語られているのは、行間どころか、私の予想そのものだったのかもしれない。

もっと別のデザインもしたい、それは商業的にも順調なものにしたい。 けれど、Sixh/NiNE という これまで育ててきた世界やファンを裏切ることもしたくない。

そのために、ここで充電期間を置くんだ、と。

辞めるわけじゃない、終わるわけじゃない。 だから、いつかは再び Sixhの製作もする種は残しておくよと。

新作が出なくなるのは ちょっと寂しいけど、そして これから お店に行く理由が 半分に減っちゃうけど、 無意味に引き伸ばしを図るよりか、解散の方が清々しくて 良かったかなと思ってる。