† 占星学者、占星術師、占い師・・・ †

私の中では、「占星学者/占星術師（Astrologer）」「占い師（Fortune-teller）」という区分けの概念があります。

お客として 相談者からすれば、占いは 相談に対して 満足すればいいわけです。 ですから、こういうレッテルは、くだらない というか どうでもいい 区分けなのですけどね。

でも、占星術を扱うプロを見る目として、私は 時として 意識的に使い分けをしています。 そうでないと、その占い師の信頼性や哲学・見識などを見誤ることがあると思うからです。

自分は素人の占星術好きな立場から見た占星術師の見る目を、好き勝手に書いてみます。

占星学者

占星術の技法を検証したり、新たな技法を見出したりしている占星術の専門家。 占星術を追求し、精錬進化に挑んでいる方。占星術の科学者のようなものです。

ただし、注意して欲しいのは、「著作を出しているかどうか」「どのくらい著作を出しているか」・・というのとは、直接関係ありません。 出来の悪い著作を出す方や 他の著作を盗用・流用している方 など、現実には 目に付くからです。 （それは誰か、どの本か・・というのは　さすがに書けませんが、或る程度の常識と占星術の知識があれば 何となく感知できるものです）

「占星学者」に見られる傾向は・・・

1. 「西洋占星学全般に精通している」（当たり前だ・・・）
2. 「古典占星術の書籍も読んでいる」（当たり前だ・・・）
3. 「論文などを発表している、もしくは 良著を出している」
4. 「理論的にホロスコープを読む」

技法は人によっては「ハーフサム」「ハーモニクス」「サビアン」など色々あるでしょうが、 基本的に 星の配置を理論的に解き明かそうという姿勢が占星学者には あります。

理屈や理論は豪勢だけども、現場ではサッパリ・・・という方も居るようなので注意。 医学知識は立派でも、ヘタクソで経験値が低い医者（医学博士）と同じです。

「占星術師」

1. 「占星術で相談に応じている」（当たり前だ・・・）
2. 「多くの場合、一般的な占星術（知識）で理解できる手法を採用している。」

基本的に占星術を行ない、それで一般的な常識的な手法（他の占星術者などが理解できる手法）で占っている方を占星術師だと思っています。

タロットや他の占いなど 西洋占星術以外を併用される方も多く居られますが、その場合は　ケースバイケースかもしれません。 私としては その方たちを「占星術師」に入れるかどうかのギリギリ難しいラインですね。

手腕のある占星術師は 著作をあまり出せない・・・というジレンマがあったりもします。 お医者さんに例えれば、理解できます。手腕のある外科医が 年がら年中 講演や執筆作業などが できるわけがありません。

「（占星術も出来る）占い師」

占星術も出来ます、手相もタロットもやってます・・・という場合、私は基本的に「占い師」と見ています。

これは当たる当たらないとか そういう判断基準ではなくて、占星術を専門としてない・・という観点からです。

でも残念ながら、分野が広い分 占星術の手腕に 難点が出やすい傾向は否めないと思います。 専門店とスーパーマーケットの違いみたいなもので、専門性の差異は当然出ますからね。

このときの占星術に目立つ傾向は、、、

1. 「ネイタルのみ出来る」（ホラリーは勉強していない・使えない）
2. 「解読がイメージ連結連想系」
3. 「他の占いの概念を持ち出す」、逆タイプとして「12星座をタロットで占う」（これって、タロット専門家の方からはどう映るんでしょうか・・・？）
4. 「占星術の立脚点である基本的な天文学知識が常識以下。」（日蝕や月蝕の現象や惑星の逆行現象が何故起きるのか　理解していない・・・）

言うまでもなく、個々の能力差はありますから、低レベルな占星術師よりも 占い師の占星術の方が良いという例はあるとは思いますが、 私がこれまで見ていると こういう傾向があります・・・ということです。

ただし、占星術へのノメリ込み度が高いか低いかによって、 自然と生じる差があることは 否めないでしょう。

占星術そのものを極めようとするのなら 自然とホラリーの勉強をするでしょう。 そこをホラリーではなくて、タロットや他の占いを選択している点は「占星術師」というよりも「占い師」としての事情を優先していることになっている証左です。 「ホラりーは勉強していません、タロットや手相は出来ます」・・・というのは私としては 基本的に「占い師」ですね。

要は、占いの一技法としての占星術なので、占い師としては そこまでのレベルは必要ないといえば必要ないかもしれません。 商業的・営業的には 占いの手法の選択肢が多い方が 好ましいのでしょう。

こういう方が占星術の本を出すケースがあるだけでなく、 「占い師」にも至っていない「占いライター」が出していたりもします。 内容は当然 初心者ガイドまでしか使えないものです。

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（伝統的西洋）占星術というのは、そもそも天体の運行などを元に、一定の定理（定石）を用いて、解読する作業といえます。 外国語の翻訳作業のようなものです。異論もあるでしょうが、私は 占星術は そういうものだと思っています。