† ホラリーの成立条件～問の固有性と相対座標系 †

今回の話、普通の占星術好きには おそらく、何を言っているのか判らないと思うが、 おそらく、判る人には判る、深い話？なので、書いてみたいと思う。 だから敢えて、難しい表現で述べていく。まだ、私の勝手な理屈のレベルではあるのだが。

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自分の占星術が当たらないのは、第一に自分の手腕が無いものだとは思うのだけど、 それでも一般犯罪や事故で、皆目 納得いかないケースがままある。

今まで、それは星の女神様（自然の摂理とも解しても良い）によるものだと思っていたが、 必ずしもそうではないということに気付いた。

そもそも、私のホラリーに対する考えに至らない部分があったのだ。 星の女神の意志以前に、私が星の規律を乱していたゆえに、星図が有効性を失っていたのである。

昨夜、漠然と第三者の犯罪事故を占おうと星図提起する場合、 それは 一事不再事の原則に沿わないケースが出てくる可能性に気付いた。

そうなのだ、漠然と第三者を占うのは、イベントチャートやマンデンチャートでないとダメなのだ。 なぜなら、イベントチャートは、観察者が客観的座標をもって見れるもので、その観察者が複数が共有することも可能だからである。

しかし、ホラリーは違う。その観察者の座標は 唯一無二の排他律の下であるものであり、観察者の共有は認められない。 ホラリーは、地上の特定の者の問いに対し、天界の星が唯一の答えを反射のように提示する、一つの問いに一つの答え、一対一の原則なのである。

つまり、ホラリーで 客観的な座標系における客観的な予測は許されない。 許されないというより、ホラリーのチャートが有効性を持つには、個人の座標系 相対的座標系から提起せねばならない。

こう書くと、ホラリーでは 特定の人物の身の回りのことしか 適用できないように思えるかもしれない。 ホラリーは質問者の関係者しか占えないんだと、事実 そう主張している占星術師も存在している。

しかし、それは若干、ホラリーの理解や姿勢が 消極的であり、ホラリーの本質を捉えていない視点だと思われる。

私は（また他の占星術師も）ホラリーが一般的犯罪の予測に通用する局面を見てきている。 しかし、それが通用しないことも多く見てきてる。

この差がどこから来るのか、その解は先の理論から導けるのだ。

ホラリーの規律に沿って質問を提起したとき、ホラリーチャートが有効性を持ち、的確な予測が導かれるのである。

そのホラリーの規律とは、神と人の それがそれと判別できるような 固有性を有した 問答でなければ成立しないということである。

気付いてみれば 実に単純明快な理屈なのであるが、しかし これに気付かない占星術師が大半だと思う。

これは、ホラリーチャートを読む技術やラディカリティの検証よりも、もっと基礎に置くべき部分であるが、 それがどうしてそうなるのか、それを理解説明しようとすると、途端に 難しい形而上の問題となってくる。

追記（5/14）

ここで言いたいのは、要するに、「第三者の事象をホラリーで扱う場合は、個人の思考・想像というフィルターを通さないと効果を持たない」ということである。

誤解をしてほしくないのは、ホラリーで他人の事件を占えないのは、ホラリーの有効範囲の問題ではない。それが そもそもその質問提起の形式がホラリーとしての要件を満たしていないためなのだ。

これこそ、ホラリーとイベントの決定的な違いであり、これを理解しておかないとならない。ホラリーは攻撃的な解釈者が必要であり、イベント・マンデンでは 受動的な解釈者である。言い方を変えると、ホラリーは反射を分析するレーダーやソナーであり、イベントは 映像を捉える写真や双眼鏡と言っていい。・・・違いがお分かりできるだろうか、なかなか微妙な問題なのであるが。

私が第三者の事象のホラリーで その多くのケースにおいて、根本的な誤りの提起をしていたのだから、そもそも 当たる確率が激減するのは当たり前のことだった。

今回のエントリー、ご理解できたであろうか。