† ラフォーレミュージアム原宿「場と間／市場（Market）」 †

あまりに早い時間に着いてしまったため、時間潰しに困った私。

新宿・原宿・渋谷ってな界隈の 時間潰しに良い場所を知らないもんで。

ラフォーレの６階で、何やらアートっぽいことの匂いがあったので、 戸惑いつつ 入場してみた。

しかし、案内の表示板が、、、 RECEPTION に BUISINESS に PRESS に ADMISSION に・・。 受付の横文字だけの案内に、若干 目眩(めまい)を覚えた。

しかし、工業・商業のアートプロデューサーが、使用者・来訪者など人間への優しさに欠けた自慰行為では困るのだが。

とりあえず５００円を払って入ってみた。

美術館でもそうだけど、一目みて通り過ぎる人が多いけど、私には そういう楽しみ方ができないなぁ。 私の場合、見応えのあるアートに出逢うと、１０分～３０分ぐらい 見続けてしまう。 他の人がそそくさと通り過ぎるってことは 混雑しないで済むから、私個人としては助かるけどね。

アート作品ってのは、一見 雑然としていたり、奇想天外だったりするけども、 その中には 製作過程の試行錯誤とか 製作者の意図とかコダワリとか、製作者の心象風景までもが込められている場合がよくある。

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たとえば、これ。矢島沙夜子さんの作品。共通テーマは「場と間／市場（Market）」

芸術を解説するってのは野暮な話だけどね。本気でやると 読むのも億劫な長文になるので。

一点遠近法を 圧縮したような 構図。極端に表現することで、現実的には奥の狭い空間と 表現的な奥行き感の 食い違いが面白さを生んでいる。

ほとんどの物をダンボールの絵で 物品を表現している（天井から吊り下げられた電球も ダンボールで絵）。ダンボールの転写にすることで 非現実的な安っぽさを作り、作品全体を記号的に表現しようとしてます（簡単にいうと、写真や現物だと生々しいし、それらの存在感が 作品として 目障りになる）。

中央にポツンと 人間が居るのは、何の表現でしょうか。絨毯は居住空間の比喩ですね。 また絨毯は、人間の存在を色的に強調して 存在をアピールしています。

日常品と芸術品（装飾品）の対比、和的な事物と 洋的事物の対比を、作り出そうとしています。 お面・盆栽・だるまは 和的で装飾品、ハサミやフォークは洋的で、日常品。海産物は和洋どちらでもない自然の表現で 日常のものです。電球など工業製品もあります。

さて、右端に さまざまな人間の手のようなものがあります。実は、これ おそらく素焼きの手を転写したものですが、これは何の表現でしょうか。・・・職人の労働とか技術でしょうか。 （写真の右端には、替刃の棚がある）

右奥、ばらばらとお皿らしき物などが 色々落ちて 散乱していますね。 これは、どういう意味でしょうか？

長いマーケットの歴史には 東日本大震災などのように そういう災難などもあるということでしょう。 よく見ると、右奥の下のは 横たわった人間が居ますね。強調されていないし、横たわっています。 これで 死亡者を表現しているのかも。 奥というのは、この作品的には 未来を表現しています。

それは中央の最奥に、メトロポリスの映像が置かれていることからも そう言えます。

これには もう一つの見方もできます。 将来、人間が商品として並べられる時代が来るのではないか。 人間とはいえなくても、臓器移植など、人体を商品として扱う時代が。 横たえているというのは、死んでいることを表現しているとも言えます。

中央のメトロポリスの映像の額に、何故 エビが置かれてるんでしょうか。 まるでお正月のようです。これは、おそらく 今の時代の人が願った「未来への希望」と「 新たな時代の歓迎」の表現でしょうか。 しかし、実際には バラ色とは言い難い未来（メトロポリスの映像）です。

さて、中央の上にある手は何の表現でしょうか。まるで天上から未来の映像（メトロポリス）を人間に見せ付けているようです。・・・これは神の手かもしれませんね。

・・・書こうと思えば もっと色々あるのだけど、言いたいのは「芸術には、色々見るポイントがあるんだよ」ってことですね。 製作者にはコダワリがあって、些細な事物であっても 何気なく置いているように見えても、考えやヒラメキを伴って そこに置いています。

そういうことを想像したり推理したり、考えながら楽しみだすと、芸術鑑賞って時間が経ってしまうんですね。

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まぁ、、、アート展示は入り口の付近だけで、あとはアート作品の市場的な世界の中での即売会ですね。

売り手との人付き合いが苦手なのと、大概があまりにも高額な値段だったりするので、そそくさと退出しました。